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クリーチャーズマンション

「驚異の存在」クリーチャー達がズラリ。 あなたの探求心、創作欲、冒険願望に火を着けたい! …読めば夢の中で会えるかも?

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変身系仏さま元三大師

あけましておめでとうございます、の日にこれ書いております。和一です。

年末年始はクリーチャー達も活発になる時期ですが、そんな中で今回は命日がお正月に関係するお人を紹介します。
その名も良源こと元三大師です!

この方はお坊さんで、1月3日が命日なことから元三大師と呼ばれています。人として生きている頃からとても名の高い僧で、その死後も信仰の対象となってきました。主に厄除けが得意とされているようです。

元三大師が特に面白いのは様々な形に姿を変えることです。

角大師




まず個人的に元三大師の代名詞だと思っている角大師!大師なのに西洋の悪魔風なのが特徴的な魅力です。

ある時、町では疫病が流行っていました。そんな中元三大師は弟子の一人に鏡に写った自分の姿を模写して御札にするように言います。弟子は普通に描こうとして驚愕、鏡に写っているのはいつもの大師の姿では無く痩せこけた恐ろしげな姿なのでした。これが角大師です。

この模写を使った御札の御利益は凄まじく、飾った家は疫病にかからなかったといわれております。もちろん、角大師を描いた御札は現在でも販売されており、比叡山などで買えます!

恐ろしげな姿で厄を払いのけるのが角大師なのです。大師は僧兵の祖との説もあり、厄と戦うイメージはよく似合っています。このモードについてはまた別の記事で紹介します。

豆大師=魔滅大師



33体の子供、または小人の姿。なぜ33体なのかはネタバレになるので置いておいて(この記事の最後まで読んでね♪)二つの逸話を紹介します。


~嵐の中で田を守った話~



あるところに元三大師を熱心に信仰している農民がいました。いつものように豊作を祈りに大師堂へ参拝していると、雨がふりだしいつしか嵐になってしまいます。普通ならば川は溢れ田は全滅してしまうでしょう。そこでその男はより一層大師に田の無事を祈りました。

少しして嵐が治まったので男は不安ながら帰ります。見えてくるとやはりどこの田んぼも荒れに荒れ、ひどい有り様でした。

しかし、驚いた事にその男の田んぼだけは無事だったのです!近所の人の話によると、30人程の子供達が不意に現れ、壁を作ったり水を掻き出したりして田を守っていたそう。その手際は非常に良く、男の田んぼはなんの問題も無かったのです。

男はこれが大師の化身であることを悟ったそうで、以後もより深く大師を信仰したことでしょう。


~大師はモテモテ?~



大師はとてもイケメンだったらしく、女性にはよくモテていたとも言われています。そんな彼がある時、宮中に訪れることになりました。

すると大変、そこにいた女官達があまりのイケメンぶりに大騒ぎしたのです!しかし大師は僧の身、そこでヘラヘラするわけにはいけません。

そこで大師はなんと何体もの小人に分身して女官から逃げたのです!
なかなかぶっ飛んだ話ですが元三大師のスーパーマンぶりが伺える逸話でしょう。

鬼大師=降魔大師




見ての通りスタンダードな鬼の姿のフォルムですが、これは「魔王」の姿です。

仏教には優しそうな仏さま以外にも不動明王のような怖い顔の神様も登場します。これは教えを阻害したり正しい道の邪魔をする者を打ち破る仕事があるためです。

大師も同じように恐ろしい魔王の姿となって修行僧を見守り、もしくは監視?比叡山を守り、教えを守っているのです。大師は僧兵の暴力を押さえ付けるなど、厳しく周囲を律していたとも言われているのでぴったりの印象。

「元三大師は降魔の主」と、厨二ごころをくすぐられるキャッチフレーズもあるようです。

一つ目の鬼



さて、うって変わって今度は現代の噂話。元三大師は非常に厳しい人でした。人としての死後も多くの人々を律するためなのか、祟りの噂もいくつか聞きます。
永久保貴一氏の密教実話怪談漫画『霊験修法曼陀羅』でも、「怒ると怖い」仏さまだと紹介されています。
さらにオカルト研究家の山口敏太郎氏のブログによると、元三堂の僧侶が怠けていると大師が一つ目の怪物の姿で現れ、それを見た者は引退しなければいけないとの話です。

どうやら祟り専用のフォルムも元三大師は持ち合わせているようですね。ただ、「怖い」といっても仏さま、おかしなことをしない限りは怖がってはいけませんよ。

如意輪観音



様々な姿となる元三大師。その全てが大切な一面……しかし、最もハイスケールな一面はなんなのでしょう……

実は……元三大師は如意輪観音の化身とされています!

観音様とは「観自在菩薩」とも言って、あらゆる世界から苦しむ人を自在に見つけて多くの人々を救ってくださるとても慈悲深い仏さまです。

観音様は、33の姿に変じて人々を救うと言われています。そうです、豆大師が33体なのはそのためです!また、そんな観音様の化身であれば己の姿を様々に変えて人々を救う元三大師の性質も納得です。

そのなかでも如意輪観音はあらゆる願いを叶える珠「如意宝珠」と仏教の教えの象徴で煩悩を打ち砕く「法輪」を持った仏さまで、僧達を仏教の道に正しく導きながらも現実的な悩みである疫病から守ってくれる大師そのものです。

元三大師の様々な姿は全てまとめると、如意輪観音様の性質、役割をがっちりとこの世界に反映しているようですね!




元三大師は他にもおみくじを発明したり(やっぱりお正月にぴったり)比叡山中興の祖として尊敬されていたりと、やっぱり凄いお人です。あなたも滋賀、京都に行くときは比叡山の横川、元三大師堂をぜひ訪れてください。もちろん御札も売ってますよ♪
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